■大きすぎる画面はNG
「迫力の大画面」は、ホームシアターの醍醐味ですが、画面(スクリーン)のサイズが「大きすぎ」にならないよう注意が必要です。 近距離で大きすぎる画面を視聴すると、映像の「粗」が目立つだけではなく、視点の移動や、目のピント合わせを頻繁に繰り返す事になり、目を疲れさせてしまうからです。
快適なシアター映像の実現には・・・
-
プロジェクター派なら、視聴距離に合わせて、投影サイズを調整する。
-
これから大画面テレビを購入する方は、視聴距離に合わせて、インチ数を選ぶ。
-
既に大画面テレビをお使いの方は、画面サイズに応じて視聴距離を確保する。
■画面サイズと視聴距離の「黄金比率」
良質な映画館の基準として知られるTHXでは、ホームシアターにおける視聴距離と画面(スクリーン)サイズの理想的な比率を、SMPTE(米国映画テレビ技術者協会)の定める基準(EG
18-1994)をベースに、規定、推奨しています。
最新の研究では、高精細なハイビジョン画質(1,920x1,080)の場合、画面の横幅が、視聴者の視野角(水平)の「36°以内」、標準画質(720x480)では、同「30°以内」を推奨しています。
以上から、最新の薄型大画面やプロジェクターの性能を考慮し、出来るだけ大画面で疲れない、快適なスクリーンサイズは、「視野角の30°〜36°に収まるサイズ」と言えます。
|
計算方法:
30°: スクリーンの横幅 = 視聴距離 x 0.535
36°: スクリーンの横幅 = 視聴距離 x 0.650
自動計算フォーム
視聴距離を入力すると、適正な映像(スクリーン)サイズが自動で計算出来ます。
視聴距離と映像(スクリーン)サイズを入力されますと、視野角が数値で確認出来ます。 是非ご活用ください。
|
■画面(スクリーン)位置(垂直方向)にもご注意を!
THXでは、ホームシアターにおいて、図のように、目の高さの水平ラインから、画面(スクリーン)の中心部までの仰角が15°以内となるよう推奨しています。 15°を超える仰角で長時間視聴した場合、首に負担がかかり、疲れの原因になるとされています。
■画面サイズは「最後」に決める
最初から「50インチプラズマ!」とか、「プロジェクターで100インチ!」などと、画面サイズから決めがちですが、ホームシアターではまず、部屋の広さや形状、音響効果の観点から、リスニングポイントと画面(スクリーン)の位置を決定します。 そして最後に、視聴距離に応じた「適正」な画面(スクリーンサイズ)を決定することで、快適な視聴環境が実現するのです。
■THXの推奨値は「絶対」ではない
推奨値と同等に、ご覧になる映像の種類や好みも、考慮すべき重要な要素です。 高精細で動きの少ない風景映像をメインに視聴するなら、少し大きめのサイズで、没入感を得るのも良いでしょう。
THXの推奨値を一度お試しの後、皆さんが「快適」と思われる設定を見つけてください。
|